CSR社会的責任
- 「月刊SPOON」が果たした役割
- 地域と市民に定着した「文化講演会」
月刊「SPOON」は、地域で生活する元気な30歳代の女性へ向けて、
地元に密着した情報を発信しようという基本的スタンスからスタートした。
30歳代の女性の価値観や嗜好にあわせた編集内容とビジュアル、
庄内の身近な文化と人、そして生活について、取材を通し
具体的に掘り下げた内容を掲載していくことで、私たちが暮らす地域の
魅力を再認識しながら、この街で暮らしていくことに誇りと
自信を持てるような生活情報誌にしたいという編集方針があった。
また、編集部は女性スタッフで構成され、地域で暮らす女性ならではの
細やかな視点が誌面に多く反映されてきた。
月1回の定期的な刊行とともに、読者は小中学生から年輩の方々まで広がり、
男女を問わず、幅広い世代の方々から親しまれ、
愛読される地域の情報誌として成長を重ねてきた。
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平成12年11月号(通巻116号)より
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平成12年11月号(通巻116号)より
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平成12年11月号(通巻116号)より
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平成12年11月号(通巻116号)より
母親が東京の大学に進学した娘に荷物を送る際、
最新号の「SPOON」を必ず入れてやっているという読者からの手紙が届き、
離れた家族を結ぶ絆としての役割を月刊「SPOON」が
しっかりと担っていることを知るにおよび、私たちはこの情報誌を
刊行し継続していく意味をあらためて深く認識するようになった。
月刊とは別に、「スプーンの本」として単行本も数点刊行してきたが、
庄内地方に伝わる雛人形の歴史的、文化的価値を広く伝えるとともに、
庄内の雛人形の集大成とも呼べる書籍として大きな評価をいただいている。
月刊「SPOON」は、平成6年に第10回NTT全国タウン誌大賞奨励賞、
平成9年には第13回NTT全国タウン誌大賞企画賞、
第6回JLNAブロンズ賞奨励賞の各賞を受賞している。
また、月刊「SPOON」の刊行事業により、
弊社は山形県産業賞(平成18年度)、庄内文化賞(平成17年度)を受賞した。
18年間にわたり継続された月刊「SPOON」の刊行は、
印刷を通じて地域文化に貢献したいという小松写真印刷の
創業当初からの願いを具体化させた事業であった。
この事業の実現と継続によって、庄内の人々に地域固有の魅力と、
庄内に暮らしていくことの誇りと自負を取り戻していただいたと同時に、
印刷という枠を超え、地域から発信する情報に私たちは確かな手応えを感じ、
情報の媒体という領域に向かって可能性を大きく広げることができた。
地域と市民に定着した「文化講演会」
昭和52年、酒田大火の復興祈念と小松写真印刷創業80周年を記念し、
俳優の米倉斉加年氏をお招きしてスタートした
小松写真印刷主催による文化講演会は、
平成20年5月に行われたノーベル賞受賞作家、大江健三郎氏の講演会で
25回目を数え、ユニークな講師の選定とテーマの設定で、
多くの酒田市民から大きな評価をいただいてきた。
近年は講演会にとどまらず、小椋佳氏を招いての「歌とおしゃべりの夕べ」、
林康子氏と市原多朗氏による「ジョイントコンサート」、
佐藤陽子氏の「ヴァイオリンコンサート」など、ポップスやクラシックを
加えたステージを開催して新たな評価を得た。また、講師の方々には、
月刊「SPOON」にもご登場いただき、酒田、庄内の印象などについて、
取材を通して誌面に掲載させていただいた。
お越しいただいた講師の方々には、それぞれ忘れられない思い出や
エピソードなどもあるが、立川談志、青島幸男、草柳大蔵、
高峰秀子、俵萌子の各氏はすでに鬼籍に入られた。
いずれの方々にも自らの生き方を通して得ることのできた
ひかり輝く言葉の数々を、多くの聴衆の耳目に焼き付けていただいた。
第11回(平成元年5月13日)に招聘した、女優、文筆家の高峰秀子氏の
闊達な話しぶりはいまも記憶に新しい。歳月を重ねてなお美しかった女優の
面影とともに、講演会当時の思い出を語る人も多い。
印刷を通じて、地域文化に貢献したいという創業当初からの
変わらぬ願いの下、創業110年を経過した現在においても、
文化講演会の開催は今後も継続していかなければならない
弊社の文化事業のひとつと考えている。
小松写真印刷主催による
文化講演会講師リスト
- 第1回米倉斉加年 「芝居のこと絵本のこと」 昭和52年5月14日
- 第2回山口崇 「民話のふるさと」 昭和53年5月12日
- 第3回永六輔 「独断偏見・支離滅裂」 昭和54年7月25日
- 第4回立川談志 「現代人情ばなし」 昭和55年9月11日
- 第5回大島渚 「映画とテレビと女たち」 昭和56年5月16日
- 第6回青島幸男 「近頃思うこと」 昭和57年10月10日
- 第7回山田洋次 「トラさんの文化論」 昭和58年9月8日
- 第8回永六輔 「酒田・ここが地球のド真中」 昭和59年11月17日
- 第9回吉野弘 「言葉と詩の間」 昭和60年9月20日
- 第10回草柳大蔵 「現代日本の光と影」 昭和63年11月17日
- 第11回高峰秀子 「私の渡世日記より」 平成元年5月13日
- 第12回中村メイコ 「私の生き方」 平成2年5月12日
- 第13回俵萌子 「今日が一番若い」 平成3年9月12日
- 第14回阿刀田高 「アイディアの誕生」 平成4年9月22日
- 第15回佐藤愛子 「幸福について」 平成5年10月22日
- 第16回五木寛之 「こころの風景」 平成6年9月21日
- 第17回篠田正浩 「映画監督の仕事」 平成7年9月27日
- 第18回倉本聰 「北海道で考える」 平成8年10月17日
- 第19回林康子・市原多朗ジョイントコンサート 平成9年10月28日
- 第20回小椋佳 「歌とおしゃべりの夕べ」 平成10年9月9日
- 第21回佐藤陽子ヴァイオリンコンサート 平成11年4月23日
- 第22回平岩弓枝 「日本のこころ」 平成12年6月21日
- 第23回黒柳徹子 「私が会った世界の子どもたち」 平成14年5月30日
- 第24回市川團十郎 「伝統と歌舞伎」 平成18年6月15日
- 第25回大江健三郎 「人間らしさ」 平成20年5月23日